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祖父から受け継いだ、甘いチーズパン

店主の城下です。

チーズパンは、なまどーなつと並ぶ当店の定番商品。
創業当初から続く、いわば“顔”のような存在です。

「なまどーなつはあれだけこだわっているから分かるけど、どうして普通のチーズパンが看板商品なの?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

私はパン職人になるため、茨城県の小さなパン屋へ修行に出ました。
そこで学んだ味が、当時の私にとっての“正解”でした。

パンには地域の味があります。
関東は比較的甘さ控えめで、やや塩味のきいた味わい。
しかし当時の私は、そんな違いがあることも知らず、
「師匠の味こそが絶対」

それ以外は違う、そう信じて疑いませんでした。

修行を終え、地元に戻って食べた当店のチーズパン。
生地がほんのり甘いことに、大きな違和感を覚えました。
「自分の代になったら、甘くない生地に変えよう」
本気でそう思っていました。

そんな私に、当時まだ元気だった初代である祖父が語ってくれました。

ここは御菓子処の文化が根付く土地であること。
この地域では“甘い=美味しい”という価値観があること。
そして、パンもまたその土地に寄り添うものであること。

その話を聞いたときは、正直すべてを理解できたわけではありません。
けれど、この地でパンを焼き続けて約30年。

今では初代の想いが、痛いほどよく分かります。
パンは職人の自己主張ではなく、
その土地で暮らす人の味覚とともに育つものなのだと。

甘いチーズパンは、当店の誇り。
創業から受け継がれてきた、大切な味です。

あまじょっぱいチーズパン。
ぜひ一度、ご賞味ください。